草食系凡人OLのひとりごと。

脱力して生きるくらいがちょうどいい。

毒母いろいろ -カテキョバイトしてた頃の話-

大学生の頃、一時期だけ

家庭教師のアルバイトをしていたことがある。

教え子は、とある母子家庭の中学生の女の子。

母子家庭云々に関しては特に何も思わなかったのだが、

実際に勤務初日に訪問してみると、

私は安易な気持ちで家庭教師を始めようと

思ったこと、そのものを後悔した。

 

教え子は感じの良さそうな子ではあったが、

狭い部屋(家)は物で溢れかえっていて、

とても勉強に集中できるような環境ではなかった。

それはまだいいとして、

論外なのは母親だった。

最初は母親の姿がどこにもなく、

私の勤務初日にいないってどういうこっちゃ?

ってその時点で少し「?」ではあったが、

教え子は全く気にしていない様子だったので、

「?」が残りながらも、私は授業を進めた。

しばらくして、どこからともなく、ふらっと現れた。

一言で言うならば、

「品のない人」

それに尽きた。

締まりのない口元が印象的な、だらしない表情。

遅れてきて私と初対面となっても、挨拶の一つも返さない。

家庭教師の授業中というのに、娘に向かってずっと

「お母さんこれから歯医者行って歯ぁほじくってくるから〜」

とか何とか、ク○どうでもいい&汚い話を横でぺちゃくちゃぺちゃくちゃ......

で、それ以上に何にドン引きしたかって、

私の目の前で、娘に向かって「ク○ガキ」と連呼していたのだ。

あまりの衝撃で固まっていた私をよそに、

「ク○ガキ」と連呼された当の本人は、

黙ってニコニコしていた。

それもまた、私には衝撃だった。

「よくグレないな」って心から思った。

私がこんな人を母親に持ってたら、

絶対不良少女になってたし、

最悪の場合、犯罪犯してても不思議でないレベルだぞ...って思った。

特に、兄弟のいない母子家庭ともなると、

家庭内で頼れる人がその人しかいないということだろうし、

成人して家を出るという唯一の希望以外、

もう人生に絶望しかなかっただろうな。

この母親を見たときばかりはさすがに、

一瞬だけ...ほんの一瞬だけ、

私の憎き毒母が、聖母かのように見えました(笑)

(まぁ、それもただの刹那の幻覚なんだけど。)

そういう意味で、その母親は、良く言えば

「裏表なく、素直で大変よろしい」って

ところなのかもしれないね(笑)

まぁ、2人きりのときはもっとひどいって

可能性もあるにはあるけど。

私の毒母だったら、外部の人間の目がある間は、

女神様のような表情で、これでもかってくらい、

「良い母」「良い妻」「良い家庭」を演じ上げるからね。

もうね、大女優も顔負けよ。

だから、「ほぼ身内」なくらい身近な人にならないと、

うちの家庭が「良い」からは程遠いってことには

なかなか気付かれないものだった。

 

その後その母親は、私が帰る前に

またふらっとどこかへ去って行った。

おそらく、歯医者に行ったのだろうけど。

(授業料は(雑な手つきでも)払ってもらえたので、

そこは最低限守ってもらえてよかった💦)

 

後日、登録してた家庭教師紹介会社から電話がかかってきて、

その母親から「あの子、暗い」とか何とか

クレームが入ったとかで

その家庭の担当は外れてくださいとの連絡。

正直、ショックでもあると同時に、ほっとした自分がいた。

家庭教師の仕事をするたびに

あの母親と同じ空間にいることになるって

想像するだけで、気が滅入るところだったから。

まぁ、クレームの妥当性については、

ちょっと物申したいところだけどね。

確かに私は根が底抜けに明るいとは言い難いが、

教え子にとって話しやすい、親しみやすい空気は

それなりに作っていたつもりだったし、

私を畏縮させていたものがあるとすると、

それは間違いなくその母親のドン引きに値する言動に

他ならなかったのだから。

それに、ねえ?

大体、勉強教えてるときに、どうやって

「歌のお姉さん」ばりに明るくなれと言うのさww

(☝️信じられないだろうが、実際会社の人からアドバイスされた言葉なのさww)

お宅も、ただの大学生アルバイトに何求めてんのさ。。って話よね。

もし母親の言う「明るい」の定義が

「(ご本人のように)くだらないことをいつまでもぺちゃくる」

人のことだったら、確実に言えるのは、

娘さんはその家庭教師の教えで成績が爆上がりすることは

決してないでしょうねってことだ(笑)

果たして、あの母親のお眼鏡に適う家庭教師は、

その後現れたのか、、、

他人事ながら、妙に気になってしまうのだった。

ちなみに、本当なら上記のような不服を

会社の人に一発言い捨てたいところだったが、

電話を受けた当時の私としては、

想定外の通告でショックがそれなりに大きかったのと、

まだまだ「社会人の大人」というものに

大なり小なり恐怖感を持っていた10代のウブな大学生だったのと、

今以上に自分の考えをパッと言えないコミュ障だったのとで、

「はぁ...そうですか」

くらいしか返せなかった記憶がある。

あー、我ながら情けねぇー😅

 

(はっきりと年齢は覚えていないけれど)

今はもう、あの子も20代だ。

元気にしてるかな。

幸せに生きてるといいな。

関わったのは人生という書物のただの一行にすぎないけど、

なぜか未だにこうしてふと思い出す。

もし私があのままあの子の家庭教師を続けていて、

それでもしあの子の心を開けていて、

母親がいないタイミングに、

母親に対する彼女の気持ちを聞き出せていたら、

彼女を少しでも、

精神的に救うことができていたのかな。

それとも、そんなこと必要ないくらい

あの子にとってはそれが「普通」で、

その環境に順応できていたのだろうか。

 

世の中には色んな母親がいるって

頭ではわかってても、いざこうやって、

自分の常識の範囲外の人を目の前にすると、

ただただフリーズするしかなくなっちゃうんだなって思った。

(当時はまだ私が、毒親どうこう考察する前だった、

というのもあるにしろ……。)

子供って、良くも悪くも

自分の家庭環境が「普通」だと思ってるよね。

だって、それしかほぼ(少なくとも経験としては)知らないから。

あの子もそうだったのか、

それともあの子のあの笑顔は

すべてを悟ったことを隠すためのものなのか。

どちらなのか、私には知る由もなかったけど。

日本には、こんな感じの家庭がごまんとあるんだろうな。

そして、それぞれの家庭の子ほぼみんなが

それを「普通」だと思っている。

 

なんかね、こんなこと書くと

話が飛躍してるとか思われるかもだけど、

そりゃ日本人は希望を持てなくなるわけだよ。

生まれたときから自己否定の暗示をかけ続けられ、

大人になって社会に出てみれば、

30年間実質マイナス成長の、一人負けの経済状況。

(経済だけで幸・不幸は測れない話は今は置いておく…。)

そこで何も考えず家庭を作ろうものなら、

自分の「普通」の家庭の記憶が呼び起こされる。

そんでその絶望が次の世代に引き継がれる。

いや、場合によっては引き継がれもせずに、

その代でその家系は途絶える。

こう考えると、毒親問題って、

本当に根深い日本の課題だと思うけど、、

毒親には全員、こういう対処法で解決できます!」的な

G撃退法みたいな単純な話じゃないのがね、、、

うーん……。

 

これだけ長々と書いて、

結局私のカテキョバイト時代の愚痴を

書きたかっただけみたいになってしまったけど(実際そうなのかも💦)

以前、私なりに毒親について考察した書籍があるので

毒親問題に関心のある方は、こちら⬇️

チェックしていただけると嬉しいです。