草食系凡人OLのひとりごと。

脱力して生きるくらいがちょうどいい。

毒親サバイバーの結婚事情③【新しい家族ができるということ】

まずは過去記事からどうぞ↓

 

今は、「結婚=家同士の繋がり」という価値観は

昔よりは薄れてきていると思う。

とはいえ、法律婚を選んだ以上、

私にとって新たな家族となる人たちが発生するし、

彼らも私を家族として迎え入れることになる。

このことから、「新しい家族」という存在も

結婚する上で避けては通れない道となる。

 

 

驚くべきことに、とでも言うべきなのだろうか。

彼との結婚自体に不安は全くと言っていいほどなかった。

それでも、唯一不安があったのは、

「新しい家族とうまくやっていけるだろうか」

ということだった。

頭ではそんなことないとわかっていても、

私の中では、「家族=色々とめんどくさい人たち」

デフォルトとして刷り込まれてしまっていて、

本能的に拒否反応を起こしてしまうのだ。

どんなコミュニティにでも容易く

すっと懐に入ってしまう才能を持つ人ならともかく、

人見知りのこの私のことだ。

一大事であることは言うまでもない。

 

でも、幸いなことに、結婚が決まる前から、

彼の家庭環境は良いものであることは聞いていた。

彼の穏やかで影のなさそうな人格を見ても、

少なくとも私の出身家族の何倍も良い家庭環境だろうなと

いうことは、推測できた。

そうは言っても、、(と不安は尽きない)

結局は人間対人間だ。

どんなに良い人たちでも、馬の合う合わないはある。

来たる顔合わせ(ご挨拶)のことを考え気が休まらない中、

「何回かに分けてになるけど、親から結婚のお祝い金をもらえるよ」

と彼から報告があった。

「お祝い金」の話を聞いて、私は、そうか、と気付いた。

私は本来手に入れられたであろう実家からのお祝い金を、

それと、ひょっとしたらの生前贈与なんかも、

実家を捨てたと同時に放棄したも同然なんだ、と。

もちろんそれを承知の上で、

それでももう毒親と一切の接触を断つ方が

圧倒的にメリットがあると判断して

実家を捨てるに至ったんだけど、

もしもまだ交流があったとして、

そして結婚報告をしていたとして、

一体どんな対応をされていただろう?

お金にだけは困っていなかった家庭だから、

少なくとも自分たちの面子を保つためなら、

何百万、ひょっとしたら4桁だってお祝い金を積んだだろう。

でも、そうされたところで

「お祝い」の心を私が感じられたかというと怪しいし、

後々大きな代償が付いて回るのは火を見るより明らかだ。

「夫の粗探し」に始まり、

夫婦の決めることにいちいち口出し、

近隣に引越してきてまで監視、

孫が出来たら「面倒を見ててあげる」という名の洗脳教育、

最期が近付いたら、当然介護地獄、

「育ててやったんだ」を盾に、わがまま放題の痴呆性老人の完成。

なんでだろう、こんなに鮮明に見えてしまうんだよ。

夫のほうは、最初の方こそ

「ご挨拶くらいは行った方がいいんじゃないか」

とかってお花畑なことを言ってたけどね。

もうね、ここまでわかりきってるような人たちに、

少しでも関わらせるだけ馬鹿を見るってもんよ(笑)

だから、当然最初からいないものとしてスルー。

両家顔合わせもないし、結婚式もなし。

(結婚式は、元々私も夫も「いらない派」だったから、

っていうのも大きいけど。)

 

で、緊張の中迎えた彼の実家でのご挨拶の日。

ご両親には、彼から予め、私の親の話はしないようにって

伝えておいてくれたことは聞いていた。

ご両親はもちろんそれを遵守してくれていたし、

何なら、仕事の話含め、私のことを詮索するようなことは一切質問しなかった。

これだけでもすごいことなんだけど、

ご両親の話の節々からは、息子のことを

本当に大事に思い、愛してるんだなぁって感じられた。

(かと言って、嫌味な息子自慢でもないのがまたすごい。)

私の親がごくたまーに「娘のことを愛してるから♡」的なことを

言ったときに感じたような、違和感大アリの気持ち悪さは、

短い滞在とはいえ、その間彼らからは全く感じられなかった。

何というか、息子のことを全面的に信頼してるんだよ。

娘を信用せず、「愛」という名の束縛で精神的に縛り付けていた、

私の毒親とはそもそも格が違うんだと思った。

精神的に裕福な、こんな親に私もなりたいと思った。

 

緊張しっぱなしで一言一句覚えていないけど、

「2人がずっと笑顔でいられる家庭を築いてくれることだけが私の願いだよ」

的なことをお母さんが言ってくれたときは、

油断してたら本当に泣き出してしまっていたくらい、

グッと来るものがあった。

血の繋がってるはずの私の親族は、

無条件に私を受け入れてくれることはなかった。

少なくとも母親は。

でもここでは、

私の出自がどうとか、経歴がどうとか詮索することなく、

息子さんの結婚相手ってだけで、

私を受け入れてくれる人たちがいる。

私の母親からは、とてもそんな言葉など出て来ないだろう。

あるとしても、彼や私に散々嫌味を言った後で、

思い出したかのように、白々しく、ならあるかもね。

彼の実家からの歓迎は、

からしたら、「嬉しい」じゃ言い表せられないくらい幸せなこと。

ありがたいことこの上なかった。

と同時に、こんな感情も湧き上がった。

こんな家庭環境の私が相手でごめんなさい。

両家顔合わせができなくてごめんなさい。

ルーツもよくわからないような相手に、

大事な息子さんを差し出すようなことさせてごめんなさい。

なんか、とことん自分の実家が情けなく思えた。

皮肉なことではあるけれど、

彼の実家の温かさを知れば知るほど、

私と私の実家(家系)を繋ぐ、

切り離すことのできない鎖の存在を思い出させられた気分だ。

 

そんなこんなで、ご挨拶は平和に終わったのであった。

「嫁姑問題に巻き込みたくないから」という先方の意向で、

あまり濃密な家族付き合いはないとは予想されるけど、

まぁ今後どうなるかしらね。

今のところ、特に不安要素はもちろんないと思っているけれど。

 

 

一旦ここで新川の結婚記事シリーズは終わる予定ですが、

結婚生活自体はこれからもずっと続くわけですし(きっと)

これから先も色々と思うところや学びも出てくるでしょうね。

そのときはまた、ぜひお付き合いいただければと思います。